
自然と、道具
ビーフストロガノフってどんな味?

プロデューサー
竹下充
ゴルフ場で食事をしたことはありますか?
ゴルフをしない人にとっては、あまり馴染みがないかもしれませんが、実はゴルフ場の多くは食事にも力を入れていて、それぞれ趣向を凝らしています。スイーツ食べ放題を提供するところ、本場の韓国料理を出すところ、ミシュラン星付きシェフにレシピを依頼して特別メニューを展開するところなど、ゴルフ以外の楽しみ方も豊富です。
中には「食事だけでもどうぞ」と一般開放しているゴルフ場もあります。テーブルクロスが敷かれた美しいテーブル、新緑のコースを眺めながらの優雅な食事──この季節には特におすすめです。
先日、そんなゴルフ場でのランチタイムに、ふと目に留まったのが「ビーフストロガノフ」ビーフというのだから牛肉を使った料理なのだろう、くらいの認識で、名前は聞いたことがあるけれど、どんな料理なのか、どんな味なのか、実はよく知りませんでした。一度は注文を迷いましたが、どうやらそのゴルフ場の名物料理とのことで、思い切って頼んでみることに。
運ばれてきたビーフストロガノフは、見た目こそグリーンカレーのようですが、もちろんカレー味ではありません。では、何味なのか?──と聞かれても説明が難しい、塩味・辛味・甘味といったはっきりした特徴はなく、良い意味で曖昧で複雑。それでいて確かに「美味しい」と思える味でした。こういう思いがけない料理との出会いも、ゴルフ場の魅力の一つかもしれません。
そもそもゴルフ場にはゴルフをしに行くもので、事前に「何を食べるか、何が食べたいか」を考えたり、決めていくことは少ないですよね。中華にする? 和食? 焼肉? などと、ある程度決めてから出かけるレストランとは違い、思いがけない一品と出会えるのもゴルフ場の食事ならではだと思います。

ちなみに「ビーフストロガノフ」の“ビーフ”は、実は牛肉の「beef」ではなく、ロシア語の「bef(~風の、~流の)」に由来しているそう。つまり、牛肉以外の食材を使ったストロガノフも存在するわけです。また、「ストロガノフ」はロシアの名門ストロガノフ伯爵に由来しており、彼に仕えていた料理人が考案したという説もあるとか。ということはチキンビーフストロガノフも存在することになるので、かなりややこしいですね。まさか、こんな形でビーフストロガノフについて知ることになるとは思ってもみませんでした。
そして、先ほど明確に伝えられなかった味に関して、調べたところによるとレシピ的にはいわゆるハヤシライスとほぼ同じということです。ただ仕上げに生クリームを加えることがビーフストロガノフの特徴ということなので、ハヤシライスの生クリーム入りを想像してもらえると間違いないのかと思います。ビーフストロガノフの味が気になる方は、ハヤシライスに生クリームを追加すると気軽にそれっぽい味が楽しめると思います。
わたしの素
少し勝手なイメージかもしれませんが、「ゴルフと焼肉」って、なにかしら密接な関係があるように思っています。
たとえば、芸能人が多く参加しテレビ放送もされた某有名焼肉チェーン主催のゴルフ大会。あるいは、プロゴルファーに人気の食事ランキングで、焼肉が上位に挙がっていたり。焼肉店のオーナーにはゴルフ好きが多い、などなど──。自分の思い込みかと思いきや、実際に調べてみると案外つながりが見えてくるんです。
そんな中、和牛の卸業者である社長さんに話を聞いてみたところ、「焼肉もゴルフも、基本的に4人で楽しむスタイル」「日常を少し特別にしてくれる存在」「社交の場として機能する」など、両者には確かに共通点があるとのことでした。やっぱり繋がりは深いようです。
そして、焼肉といえばガスロースターも便利ですが、個人的には七輪で焼くスタイルにグッときます。肉でも魚でも、七輪で焼くだけで美味しさが倍増する気がするのは、きっと私だけではないはず。サイズや重さの都合でキャンプに持ち出すのは少しハードルが高く、私物では持っていませんが、焼肉屋さんで七輪が登場すると、それだけで気分が上がりますよね。

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自然と、道具の扉

プロデューサー
竹下充
自然が大好きで自然と道具でとことん遊んできた竹下さんと仲間たちの素となった食事。
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