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ベランダ、キッチンで家庭菜園

自然と、道具

ベランダ、キッチンで家庭菜園

竹下充

プロデューサー

竹下充

以前このコラムで、ベーコンを食べるときに食べることができる多肉植物のグラパラリーフを重宝していて、そのグラパラリーフを家庭菜園していることを書かせてもらいました。多肉植物は多少水を与えなくても枯れにくく、葉挿しでどんどん増えるので、誰にでもおすすめできる植物だと思います。

そんなグラパラリーフ以外にも、食べられる植物を育てていて、特に夏は成長が旺盛なので、ホームセンターで苗を買ってきては、ベランダのプランターの隙間に植えています。ちなみに今年の夏に育てたのは、グリーンカーテン用のゴーヤ、定番のミニトマト、香辛料として2年に一度ほど育てる唐辛子、そしてプランターから勝手に生えてくるようになった大葉とミント。さらにキッチンの水耕栽培でブロッコリースプラウトです。

植物ですから、当然ながらきちんと世話をしないと収穫できなかったり、枯れてしまったりします。今年はトマトが病気なのか、育て方の問題なのか、原因不明で不作、しかも枯れてしまい、ほとんど収穫できませんでした。ある年は、ヒョロヒョロのきゅうりしか育たなかったりと、毎年思い通りにはいきません。幸い、西日対策に初挑戦したゴーヤは希望どおりに茂って立派なグリーンカーテンになり、副産物として実も収穫できました。しかし、大きく育つ実もあれば、途中で成長が止まるものや急に黄色く熟れてしまうものもあり、なかなか安定して収穫するのは難しいようです。

ネットなどで調べると、植物ごとに剪定や水や肥料の与え方が細かく紹介されていますが、そこまで真面目に向き合っていないので、とりあえず水をやり、たまに肥料的なものを与える程度。完全に素人流の栽培で、うまくいくこともあれば逆効果になることもあります。

そんな私の「農業体験」の原点は、祖父母が兼業農家で畑を持ち、裏山を管理していたことにあります。季節ごとに畑で野菜や果物を収穫し、山で山菜や栗、柿、たけのこを採ってくる暮らしを、わりと身近に体験していました。スーパーで買うだけでなく、育てて収穫して食べることが当たり前だったのです。大人になってからは野菜を育てる機会はありませんでしたが、15年ほど前にペペロンチーノ作りにハマり、その流れで唐辛子を自分で育ててみようと思い立ち、プランター栽培を始めたのがきっかけでした。そこからいろいろ植えては育てることを繰り返すうちに、プランターや鉢が少しずつ増えていき、今に至ります。

最近では野菜だけでなく果実にも挑戦していて、レモン、ブルーベリー、マンゴーを育てています。果たしてうまく実をつけるのかどうか――。そんな成長を見守るのもまた楽しいものです。

わたしの素

20年以上前だと思いますが、初めて沖縄に行ったときに衝撃を受けたのが、麩チャンプルーでした。ゴーヤチャンプルーはもちろん知っていたのですが、当時は「チャンプルー=混ぜる」という語源も知らず、そもそも立ち寄ったレストランで友達が注文した料理(麩チャンプルー)を、何の料理か分からないまま食べたのが、麩チャンプルーとの初めての出会いでした。

初めて食べた感想は「柔らかいお肉の美味しい炒め物」。そこで「この肉野菜炒めの肉は何を使ってるの!?」と友人に聞いたら、「肉じゃなくて麩だよ」と言われ、さっき食べた柔らかい豚肉のようなものが肉ではなく麩だと理解するまで、少し時間がかかったのを覚えています。もちろんその時の沖縄土産は、巨大な車麩をたっぷり買い込んで帰り、しばらくは麩チャンプルーを食べまくっていました。

それ以来、沖縄料理店に行くと麩チャンプルーを頼み、沖縄に行った際も現地の居酒屋で麩チャンプルーを注文しています。毎度変わらず美味しいのですが、20数年前に「何だか分からないけど旨い!!」と感じたあの衝撃を超えることはできません。そう考えると、初体験や未知との遭遇って最高だなと思うのですが、歳を重ねると無駄に経験値が蓄積され、初体験の機会は少なくなってしまいます。ついつい、知っているものの中で安牌にまとめようとしてしまうので……。

そんなおじさん化した自分ですが、これからも初体験を探し、失敗を恐れず、意識的に攻めていこうと思います!!

つぶやき
10月末にハイキングイベント「GO OUT SUPER HIKING JAPAN」を初開催!オイシサの記憶を一緒につくりましょう!!

連載

自然と、道具の扉

竹下充

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竹下充

自然が大好きで自然と道具でとことん遊んできた竹下さんと仲間たちの素となった食事。

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