初めてドラマのプロデューサーを務めたのは2012年の夏。29歳の時だった。あれからもう13年が経ち、プロデュースしたドラマの数も2桁になった。プロデューサーとして育ててもらった職場の当時の方針と、自分の面倒な性格のせいで、これまでほとんどのドラマはほぼ一人で作家さんと共に企画を立ち上げ、脚本を作り、少しずつ仲間を増やしていくような形で進めてきた。企画の立ち上げからBlu-rayの発売までプロデューサーとしての仕事は多岐に渡るが、企画を立ち上げて脚本を作る、という最初の過程が私にとっては最も楽しく幸福で、また同時に最も苦しく困難でもある。毎日夢の中までドラマに追いかけられて、作家さんからの厳しい...