食いしん坊のクローゼット
エッセイスト | 「今日もていねいに。」

食いしん坊のクローゼット


022 沖縄の「やちむん」

元気を出したい時に使いたくなる沖縄の焼き物の器。焼き物を沖縄では「やちむん」と呼ぶ。「やちむん」にはおおらかで健康的な明るさがある。食卓に置くと、一つひとつのおおらかな力強さが料理を包み込み、「かめー、かめー(いっぱい食べなさい)」と、にこやかな声が聞こえてくる。
うちにある「やちむん」は古いものが多く、手に持つとずっしりとしていて、とても素朴。のびやかで大胆な絵柄は生命力に満ちている。
いちばん気に入っている渦巻き模様は、水の流れや宇宙の循環を表している。古くから「魔を払う」「力を呼び込む」模様として使われ、お守りの意味もあるらしい。もうひとつの唐草模様は長寿を象徴し、白地に赤い点打ちは、豊穣や恵みの祈りだという。
こんなふうに、古くから沖縄の「やちむん」は、暮らしを彩るだけでなく、縁起物でもあり、心を寄せ合って、食事を陽気に楽しむための器として大切にされてきた。
「やちむん」にご飯を大盛りして、おつけもんと食べる。ほんとうに元気が出るんだ。

 

食いしん坊のクローゼット

001 三時のおやつに菊皿      
002 アスティエの角皿        
003 リーサ・ハッラマーのデザート皿 
004 1930年代のカフェオレボウル    
005 「if」のピューター皿
006 白磁の茶椀
007 木の平皿
008 ブルーウィローの皿
009 安南焼の茶碗
010 成田理俊のステンレス皿
011 サーラ・ホペアのコップ
012 仲村旨和のカッティングボード
013 レモンの木の小皿
014 マルック・コソネンのバスケット
015 スティーブ・ハリソンの皿
016 鳥獣戯画の盛鉢
017 ラッセル・ライトのカレー皿
018 木曽ひのき漆器の弁当箱
019 欅の千筋茶碗
020 パリの買い物
021 アラビアのライス
022 沖縄の「やちむん」
023 ハルデンワンガーのセラミック皿
024 ベニントンポタリーのマグカップ
025 ウォルター・ボッセの「青いクマさん」

松浦弥太郎

著者プロフィール

エッセイスト
松浦弥太郎

2002年、セレクトブック書店の先駆けとなる「COWBOOKS」を中目黒にオープン。2005年からの9年間『暮しの手帖』編集長を務める。その後、IT業界に転じ、㈱おいしい健康取締役就任。2006年より公益財団法人東京子ども図書館役員も務める。ユニクロの「LifeWear Story 100」責任編集。「Dean & Delucaマガジン」編集長。他、様々な企業のアドバイザーを務める。映画「場所はいつも旅先だった」監督作品。著書に「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」など著書多数。

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