ドラマ制作日誌⑩まだまだ続く現場の日々
クランクインしてから2ヶ月半ほど経った。日々関東近郊の各地でロケを続けてきたが、今日からようやくスタジオ収録に入った。スタジオでの撮影はやはり落ち着く。天候も暑さ寒さも騒音も気にしなくてよく、Wi-Fiがあり、机と椅子があり、撮影の進行を見ながら作業もできる。天国のハードルが低過ぎるとは思うが、本当に天国だ。とはいえ、「スタジオ収録までどうにか生き延びて、そこでまとめてこの作業をやろう」とかなり溜め込んできたので朝から晩まで撮影の進行を横目で見ながらずっと作業をし続けることにはなってしまう。
放送まで1ヶ月を切って、出演者が解禁されたり予告が解禁されたりして、「見ましたよ!放送が楽しみです」と言っていただくことも増えた。情報解禁前はロケ先などで「何のドラマですか?」と聞かれても「まだ未発表なのでお伝えできなくて…すみません」と謝らなければならないことが心苦しかったので、「『銀河の一票』というドラマです、4月20日スタートです!」とお知らせできることはとても嬉しい。でも同時に、ついに始まってしまうのか…というちょっと寂しい気持ちにもなる。いつもドラマを作っている時は、早く多くの人に観てもらいたいという気持ちと、このまま誰にも観てほしくないという気持ちが入り混じる。放送されると自分の手から離れ、観てくださる人のものになり、作っている最中に感じるものとは完全に別のものになるように私自身が感じているからかもしれない。自分の手の中で必死に温めていくこと、巣立っていく姿を見守ること、そのどちらも大切で愛おしいことだけれど、今はまだ、もう少し温めさせてほしいという気持ちだ。

今日から夫が一週間の海外出張に行ってしまった。訳あって私が「絶対に行ったほうがいい」と背中を押してしまった出張なので、何の文句も言えないのだが、撮影期間&脚本も佳境&取材も佳境&ポスプロや宣伝も動いている、という状況で2歳の子どもの育児をワンオペすることになり、正直クラクラした。私も夫も頼れる親族は皆無なのでスタジオに連れてくることも考えたが、人見知り&20時過ぎには寝かせなければならないのでそうもいかない(収録自体は朝〜23時近くまである)。いつもより早く保育園に登園させてもらい、早退してお迎えに行き、寝かしつけ後はアシスタントから撮影の状況を聞きながら別作業をするのと、どうにもならない日は部分的にシッターさんにお願いする、ということでなんとか乗り切ろうと思っている。ワンオペ初日の今朝からいきなり雨で、傘をさして歩いていきたいと粘る子どもと10分格闘してどうにか自転車に乗ってもらい、いつもより早い時間だからか全く開かない踏切を雨に打たれながらじっと待ち、ようやく送り届けた時には自分自身はびしょ濡れ。レインコートを放り投げ、急いで着替えてスタジオに向かい、撮影の開始時間にギリギリ間に合うという有様だった。あと6日を頑張って生き延びたい。スタッフに迷惑をかけることになっているのは申し訳ない気持ちでいっぱいだけど、この2ヶ月以上連続して娘と親密な時間を過ごすことが難しかったから、この一週間はとても大切な時間をもらっているように思う。

久しぶりに娘と二人きりで食卓で向き合ってご飯を食べていると、とってもご機嫌に保育園であったことやパパと遊んだことを話してくれる。あっという間に成長するんだなと眩しくなり、とても幸せな気持ちになる。撮影の終わりまであと1ヶ月半、このまま立ち止まらずに走り抜ける。

メッセージ